いったりきたり日記

最近移動も多く、ものわすれもひどいのであったこと感じたことを忘れないようになるべくまめに書きたいと思いますが、そううまくは続かないと思います。

3日目レポート:上市町新天地エクスペリエンスデザインワークショップ富山県上市町の移住・定住を考える

 

全3回のワークショップ、無事に終了しました。

ふう、まとまってよかったです。

翌日、町長と副町長ともお話しし、

ワークショップで検討した多くの施策を具体的に検討していくフェーズに

入れそうです。

ご協力いただきました多くのみなさま、本当にありがとうございました。

北日本新聞にも記事を書いていただいています。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

また、塩谷さんにもレポートしてもらいましたので詳細はこちらで↓

 

3日目レポート

 

お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科理学専攻

修士1年 塩谷祥加です。

 

8月1日、富山県上市町にて「上市町を人が集まり続け、住み続ける町にする」をテーマとして

エクスペリエンスデザインを用いたワークショップの第3回目が行われました。

今回も新聞で取り上げていただきました。

 

 

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最終回である今回は、前回ブラッシュアップしたアイディアを元に今後のアクションプランを考えます。

 

前回はカスタマージャーニーのステップを作成した後、各チームが3つの重要課題を見つけ出しました。

各チームの重要課題は下記の通りです。

 

 

チームA:《そろそろ持ち家・・富山県内ファミリー》

①家選び以前にそもそも上市町に来てもらったことがない

②宅地開発の事業者に上市町をPRできていない→在宅開発が少ない?

上市町での生活が想像できない

 

 

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チームB:《できればこれからも地元で・・地元就職希望学校生》

①進学者への上市情報の提示が少ない

②就職活動時に、町・地元企業から学生にアプローチしていない

上市町自体が企業情報の集約をしていない

 

 

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チームC《自分のお店を持ちたい!新天地「起業の虎」》:

①起業の検討タイミングで、候補として上市町が入ってこない

②空き店舗や家付店舗情報が未整理

③成功するか不安な中「お試し」をする機会がない(上市に限らず)

 

 

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チームD《子供は自然の中でのんびり育てたい子育て専門職ファミリー》:

上市町を家族で体験したいときに手頃な泊まる場所が少ない

②町内アテンドからの情報発信

上市町民自らが町外の人を呼び込む機会・仕組みが少ない

 

 

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チームE《子育てファミリー引越し後》:

上市町に引っ越したあとすぐにやるべきことの情報がなく、不安

上市町の暮らしを”エンジョイ”するためのコミュニティに入りにくい

③住民自らが町の人を積極的に呼んで、次の住民をうみだす仕組みがない

 

 

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【ワーク7】重要課題を解く施策を考える(60分程度)

 

前回の個人課題「上市のシンボリックストーリーを考えること」を共有した後、施策を絞り込んだ上で磨き上げます。

各チームでは「ターゲットが本当に喜んでくれるか」「他のターゲット・住民にもよい広がりがあるか」「上市らしい施策であるか」に気を付けながらワークを進めていきました。

 

いくつかのチームで上市町の知名度アップが重要課題として上がっており、上市町をPRするための施策を考えていました。

持ち家を考える富山県内の家族をターゲットにしたAチームにおいては、

上市町富山市内からもクルマで20分ほどと近いにもかかわらず、行ったことがある人が少なく、

イメージが希薄。これでは家を建てる候補地にならない」

ということから、「家づくりを検討してもらう前に、レジャーで良いので一度は上市に来てもらえるような機会を提供する」という声が上がっていました。そこからターゲットをもう一度見直し、家族ならば子連れで楽しめることが大事であるとして、子供も一緒に参加出来るようなイベントをまとめていました。

他のチームでも、Webに載せる情報や町外に配布するチラシの内容まで、施策案のより具体的な部分まで考えていきました。

 

今度はそれらのアイディアを実現するために、誰がどう対応するのかを考えていきます。

例えば地元就職希望者をターゲットにしたBチームでは、進学者への情報提示をするためには役場の町産業課が対応するだけではなく、地元の企業にも協力してもらい、タウン情報と企業情報をまとめた情報誌を作成するということでまとまっていました。

誰がどう行動するべきなのか、どんなことなら実現できそうか、今後の動きが見えてきていました。

 

 

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個人課題のまとめ(左)/個人課題共有の様子(右)

 

【ワーク8】上市町のシンボルストーリーをまとめる(60分程度)

ここで改めて町のあるべき姿を考えるべく

「上市と言ったらこれ!」という町のシンボルストーリーをまとめます。

絞り込む際は

「たくさんの小話やイメージを連れてこられるか」

「町のことを知らない人にも言いやすいか」

「町の中の人も納得できるか」

という視点を重要視して絞り込みました。

ここでは下図の「顧客価値」「競争優位性」からストーリーを考えていきます。

 

 

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各チームごとに考えた後、チームごとに5枚ずつの付箋を持ち寄り

一つの模造紙にまとめて全体で共有しました。

どのチームでも「水」は重要な要素として挙がっていました。

また「野生動物が身近な豊かな自然」という要素から

カモシカに会えるまち」というストーリーが考え出されたり、

「治安がよい」という要素から

「鍵をかけたら怒られる」という面白いストーリーが話し合われました。

最後は全員にどの要素が一番しっくりくるかを尋ねたところ、

「水」と「自然」が半数ずつという結果に至りました。

 

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ワーク途中経過の様子

 

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各チームが持ち寄りまとめる様子

 

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各チームのストーリー要素のまとめ

 

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全員で議論する様子

 

 

【ワーク9】最後の施策ブラッシュアップ(30分程度)

全員で共有したことを元に、今まで考えてきたアイディアの見直しを行います。

また、最後の発表準備として、伝わりやすいようにまとめ作業を行います。

 

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最後のブラッシュアップの様子

 

【ワーク10】発表(45分程度)

最後は各チームによる発表です。

各チームの3つの重要課題に対するアクションプランは下記の通りです。

 

チームA:《そろそろ持ち家・・富山県内ファミリー》

家選びをする前に、まずは上市町に来てもらえるようなイベントを開催する必要があります。

そこで子連れファミリーを対象として

自然を体験するプログラムツアーを実施すべきという提案がありました。

夏休みの自由研究にも繋がるように町の企業が子供向けに企業見学ツアーを実施すればいいのでは

とターゲットの気持ちをよく考えたアイディアも出ました。

また宅地開発の事業者に上市町をPRしていくためには

上市町自身が、業者が団地開発をするための後押しとなるような一手を調べる必要がありそうです。

さらに移住を考える家族が上市町での生活が容易に想像出来るように

町がWebや情報誌等を用いて病院や子育てに関する情報提示をしたり、

上市町のエリア広告を他の町や近隣の県にも出してもらう必要があるという意見も出ました。

 

 

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チームB:《できればこれからも地元で・・地元就職希望学校生》

町産業課と企業が学生や親に企業情報を配布することで

進学者により多くの上市町の情報を伝えることが出来ます。

働く上で暮らしやすさは大切であるから、タウン情報もセットにすべきという意見もありました。

また就職活動時に、町・地元企業から学生にアプローチすべく、

地元企業が学園祭に参加することで学生との繋がりを作るという具体的な提案がありました。

一方で町は若者目線でのはたらくらすコネクションを作成する必要があります。

この意見に対し、

「今までは大人向けだったので、早速若者目線で考えてみよう」

と前向きな声が上がりました。

さらに上市町自体が企業の情報を集約するために

町と企業、高校や大学で枠組みを作り連携を取ることで情報を得て共有できそうです。

 

 

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チームC《自分のお店を持ちたい!新天地「起業の虎」》:

起業の検討タイミングで、上市町候補に入れてもらうためには外部にPRすることが重要です。

そこで町外の企業セミナーにチラシ配布や

金融機関の創業セミナーに上市町の情報を提供することで、PRに繋がるはずです。

未整理である空き店舗や家付店舗情報に関しては、

データベース化することで情報をまとめたり、

不動産屋との連携を図ることで情報整理が可能とのことでした。

成功するか不安な中「お試し」をする機会を作るためには

空き店舗を利用することでチャレンジショップを行うといいのではというアイディアが出ました。

 

 

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チームD《子供は自然の中でのんびり育てたい子育て専門職ファミリー》:

上市町を家族で体験する際に手頃な宿泊施設を提供するべく、

観光を主に扱う企業を中心として連携や調整等をしてもらうことで、

町中の空き家や古民家を活用すべきという提案がありました。

さらに、町と人の魅力を知ってもらうための長期滞在型ツアーを実施することで、

町内アテンドからの情報を発信することができます。

若いうちに上市町を一回体験するとその人たちは再び町を訪れたくなるだろう

という意見に対しては、多くの方が「確かに」「なるほど」と納得していました。

また上市町民自らが町外の人を呼び込む機会・仕組みを作るためには、

人生初登山キャンプツアーや農業体験といったイベントが提案されました。

 

 

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チームE《子育てファミリー引越し後》:

引越し後の町情報が少ないことへの不安を解消するには、

町が何でも相談窓口を作ることで解決できるのではという提案がありました。

しかし主だってやる人が曖昧であるために、実行に移すにはもうプランを練る必要がありそうです。

簡単に実行できそうな案としては

移住手続きシミュレーション等の情報発信といったWebや情報誌の充実がありました。

また上市町の暮らしを楽しむためのコミュニティに入りにくいという課題を解決するには

情報を出したい人と情報を必要とする人とのつながりを利用した

仲人制度を設けるべきという意見があがりました。

住民自らが次の上市町民をうみだすためには、

他のチームでも意見が出たようにマルシェのようなイベントを開催する必要がありそうです。

 

 

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以上のようにまとまったアクションプランを元に、今後様々な施策が実行されていくことになります。前回に引き続き今回も限られた時間で、真剣な議論が行われていました。参加者が3日間考えに考え抜いた結果が、きっと今後の上市町の課題解決に繋がっていくことと思います。

 

感想(塩谷)

今回2度目の訪問となりました。上市町を訪れると自分の故郷のように心が落ち着きます。やはり定期的に訪問したいと強く思いました。今回このワークショップに携わったことで、上市町という存在を知り、素敵な方々と関わることが出来たのは、とても貴重な体験となりました。また次回訪れることがあったら、町の隅々まで観光してその魅力をもっと感じたいと思います。ぜひ上市の名前が全国に伝わって欲しいので、微力ながらも、私も周囲に上市町を宣伝していこうと思います。

 

 

サントリーでのプロボノ・パラレルキャリア系講演

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【企業でのプロボノ・パラレルキャリア系講演】

今年に入って依頼されることが増えてきています。
なんだか世の中が動いている感じがしますね。

あさっての夜はサントリーに伺います。
社員の集まりに呼んでいただき、
a-conで実践しているプロボノの事例を紹介し、
そのメリットや留意点などをお話ししたり、
社員の方とディスカッションする予定です。

7/27(水) 18:15〜19:30 @サントリーお台場オフィス会議室

取材もOKだそうなのでもしご興味ある
メディア系の方いらしたらぜひご連絡ください。

慣れた本業をあえて脱し、
色々な業界の方、NPOの方等、
ダイバーシティに富んだチームをつくり、
お金だけではない、これまた多種多様な成果を規定し、
メンバーのダイバーシティに配慮し、
隙間時間をつかってプロジェクトを進めていく。

なかなかにしんどいですが、その分、楽しいです。

社会的な貢献はもちろんですが、
プロジェクトから得られるスキルも半端ないです。
プロジェクトに加わるメンバーにとってはもちろんですが、
企業にもメリットがある取組になると思います。

「ちょっと興味あるなー、うちの会社でも話してよ」という
ご要望ありましたらぜひお声掛けくださいっ!
私かa-conのメンバーが伺いますよー。

 

2日目レポート:上市町新天地エクスペリエンスデザインワークショップ 富山県上市町の移住・定住を考える。

 

富山県上市町の移住・定住を考える。

30名を超える町の有職者にお集まりいただき、

私たち電通のチームが普段様々な行かで取り組んでいる

「エクスペリエンスデザイン」の考え方を活用していただき、

この課題について徹底的に考えていきます。

第2回目は雰囲気もほぐれてきて、議論がとまらないことも。

最終回に向けてまだまだ考える難所は盛りだくさんですが、

取り急ぎ、2回目がどんな感じだったか、

レポーターの塩谷さんが報告をつくってくれたのでこちらに掲載します。

ちなみに1回目のレポートはこちら↓

takkaga.hatenablog.com

 

2日目レポート 

 

お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科理学専攻

修士1年 塩谷祥加です。

 

7月20日、前回に引き続き富山県上市町にて

エクスペリエンスデザインを用いたワークショップを行いました。

テーマは「上市町を人が集まり続け、住み続ける町にする」こと。

今回も前回同様町役場の職員、民間企業の方、

地元の大学生などの30人がワークに参加してくださいました。

全3日程の2日目の様子をご紹介します。

 

今回はアイディア出しとそのブラッシュアップがメインとなりました。

 

まず前回の振り返りです。

前回は「お客様の体験」を「設計」するエクスペリエンスデザインを用いて、

ターゲットである移住・定住してくれそうな人の気持ちや行動をステップに分けました。

そして、それぞれに対しての施策や効果、問題を検討しました。

今回はその検討をもとに何が重要課題であるのかをブラッシュアップしていきます。

ターゲットは下記のA~Eです。

 

A : そろそろ持ち家・・富山県内ファミリー

B : できればこれからも地元で・・地元就職希望学校生

C : 自分のお店を持ちたい!新天地「起業の虎」

D : 子供は自然の中でのびのび育てたい子育て専門職ファミリー

E : 子育てファミリー引越し後

 

 

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ターゲットの気持ちを考えやすくするために用意した本

 

 

【ワーク3】前回の個人課題の共有(20分程度)

 

前回のワークショップの最後に、それぞれの宿題として

「ターゲットに近い人に何らかの形で取材する」こと、

「サービスプランの叩きを3~5つ考える」ことをやってくることになりました。

 

2日目はまず各チームごとに個人課題の共有を行いました。

友人に直接話を聞いたり、FAXを用いて取材をしたりと手段は様々でした。

中には5人もの人に聞き取り調査をした方もいて、

それぞれが1週間という短い中で取り組んでいらしたようです。

チーム内で共有しつつ、面白いと思った点は聞き手が付箋に記入し模造紙に貼りました。

 

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FAXでの返答(上)とサービスプラン/施策の案(下)

 

 

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個人課題を共有している様子

 

 

【ワーク4】カスタマージャーニーの精微化(50分程度)

 

[1]ターゲットの気持ちを模造紙2枚に整理(25分程度)

いよいよ前回発散した各ステップにおける施策や効果、問題を収束していく段階に入ります。

ここでは各ターゲットの気持ちを模造紙2枚に収まるように整理していきます。

整理する中でターゲットの気持ちを汲み取ったアイディアも出てきました。

例えば上市で子育てを考える移住者をターゲットにしたDチームでは

「町にどんな人がいるのか事前に知りたい」というターゲットの気持ちに対して

「移住手続きとセットで上市町を体験できるプランはどうか」というアイディアも出ていました。

 

[2]ステップに合わせてペイン・ゲイン・課題+施策案の整理(25分程度)

各チームともステップの見直しを行いました。

前回出したステップをさらに細分化し付箋に書き出して整理していました。

特に引越し後の子育てファミリーをターゲットにしたEチームにおいては、

子供の成長を細かく洗い出してその時々における親の気持ちを考えていました。

実際にお子さんをお持ちの方もいるようで、

子育て支援情報ってどうやって知るの?」「PTA活動の情報を知る機会が少ない」

というリアルな意見が多く挙がっていました。

 

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ターゲットの気持ちを整理している様子

 

 

【ワーク5】ワールドカフェ形式でのチーム間発表(25分程度)

 

チームごとのワークから、チーム間で混ざって情報を共有をすることで、

異なる立場からの意見により新たな気づきを得ることが可能です。

自分のチームに残った方はステップと課題を説明をし、

他のチームから来た方は感じたことを付箋に残していきました。

例えば上市町での起業を考えるCチームにおいての

「起業はできてもその後が続かないのでは」

という指摘に対して「確かに」「そうだよね」と頷く方がいたり、

自分の意見を述べる方がいたりと全員が課題について真剣に考え議論をしていました。

 

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ワールドカフェの様子 

 

 

【ワーク6】カスタマージャーニーのブラッシュアップ(60分程度)

 

[1]フィードバックの整理(15分程度)

ワールドカフェで得たフィードバックを有効活用すべく、

整理し参考にした上で重要な課題を見つけ出します。

貰ったフィードバックに対して、各自の考えを付箋に書き出していきました。

例えば

「上市で起業するメリットがよく分からない」

「そもそも上市が創業の選択肢に入っているのか」

というようなフィードバックに対して

「上市で起業したくなる理由を掘り起こすべき」

「起業対象者のニーズをもっと把握すべき」

といった個人の考えを付箋に書き出していました。

フィードバックによりこれまで見えていなかった課題も浮き彫りになったようです。

 

 

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付箋を整理しながら議論する様子

 

 

[2]重要課題の発見(25分程度)

この段階において,多くの課題の中から3つの重要な課題を決定します。

出た課題全てに対するアプローチを考えるのは大変な作業になるために、

ここでしっかり重要課題を考えます。

上市町への持ち家を考える富山県内の家族をターゲットにしたAチームでは、

「生活のイメージがわかない」「情報誌の情報が少ない」「子育て支援の内容が少ない」

というターゲットの気持ちをまとめたことで、

上市町に住むメリット情報が少ないのでは」

という重要課題を見つけ出していました。

他にも「団地開発が少なくPRできない」という課題も見つかりました。

また地元就職を考える学生をターゲットにしたBチームでは

「地元企業の情報が少ない」「そもそもやりたいことが定かではない学生もいる」

という現状に対して

「地元の企業やインターン情報をもっと県内外に発信すべき」

ということを重要課題としてまとめていました。

たくさんのアイディアをまとめるのは相当苦戦したようで、

多くの方が険しい表情を見せていましたが、

何個かに絞り出せると「これだ!」「ようやくまとまった」「やったー!」

とすっきりした表情で喜びを見せていました。

 

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絞り出された重要課題

 

 

[3]サービスプランを考える(25分程度)

課題が絞れたところで,その課題に対するサービスプランを提案するために、

他地域において既に行われている取り組みをブラッシュアップしていきます。

まずは各自で用意された本やネットで事例を調査し、

その調査結果を参考としてサービスプランを考えました。

そして時間が許す限り,そのプランをチーム内で共有しました。

 

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既存の取り組みを調査する様子

 

 

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疲れを見せず最後までいきいきと議論する様子

 

 

今回は課題を洗い出すことがメインとなりました。

重要なことは「上市ってなに?」と聞かれた時に「上市といえばこれ!」

と答えられる魅力を作ることです。

そのためには今回洗い出した課題をもとにして

シンボリックストーリーを考えることが重要となります。

 

次回までの個人課題は「上市のシンボリックストーリーを考える」ことです。

①[3]で共有したことをもとに、個人で重要課題ごとに2つづつプランのアイディアを考える

②そのアイディアを利用し上市のシンボルストーリーとその要素を合計4つ考える

以上の2つが宿題となりました。

 

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次回までの個人課題

 

 

感想(塩谷)

今回のワークショップ参加に伴い、私は初めて上市町の存在を知ることになりました。訪れてみてまず感じたのは人の温かさです。駅で挨拶してくれる方がいたり、飲食店でもたくさん話しかけていただいたりと、上市町の方にとっては当たり前な行動も、私にとっては温かく歓迎されているように感じました。東京にいると接客ですら作業に感じてしまうときがあります。地域内で蜜に繋がっているからこそ、外部の人間も感じられる人の温かさは、上市町の魅力の一つであると感じました。上市町に住んでいながら、地元の課題を見つけるというのは大変な作業であると思います。実は私は秋田県羽後町という良い所が少ない田舎の出身です。住んでいるときは町の魅力を感じることがなく、早く都会に出て行きたいという気持ちでいっぱいでした。地元の課題を見つけようと行動に出ることもなく、東京に引っ越してしまいました。一方で上市町の方々はしっかり地元と向き合っています。何もないから何もしないではなく、そこで何とかしようと行動に出ている姿を見ると、地元のために何もしてこなかった自分自身が恥ずかしくなってきました。今回のワークショップから、参加者全員の上市町を何とかしたいという想いがよく伝わってきました。年齢や職業関係なく、町を良くするために団結して考えることができるのは本当に素敵なことです。次回のワークショップで「上市町といえばこれ!」という何かが見つかって欲しいです。

今夏は忙しく秋田への帰省を考えていませんでしたが、今回の訪問を機に秋田に帰りたくなりました。東京で何年か過ごしたからこそ、改めて最近地元の魅力を感じています。すぐには無理でも、いずれ私も地元のために何か行動を起こしたいという思いが強くなりました。今回のワークショップへの参加は私にとってもいい刺激となりました。

 

 

具体的なアイデアをまとめていった最終回、3日目のレポートはこちらです↓

 

takkaga.hatenablog.com

1日目レポート:上市町新天地エクスペリエンスデザインワークショップ

富山県上市町の移住・定住を考える。

つまり、人の人生を左右するような「おおごと」を どのようにしたら決断してもらえるか。

仕事、住まい、子育て、教育、ご近所コミュニティなどなどなど、 様々な側面から考える必要があります。

複雑なだけに、それぞれの分野でベストな施策を 実行しているつもりでも、
それぞれの「つながり」がなかったり、
いつのまにか、その施策を届けようとする人の 気持ちから離れたものに
なってしまっていたりすることも よくあるのではないか、と感じています。
 

そこで、上市町に関係する、民間・行政のあらゆる分野、
30名を超える町の有識者にお集まりいただき、
私たち電通のチームが普段様々な業界で取り組んでいる 「エクスペリエンスデザイン」の
考え方を活用していただき、 この課題について徹底的に考え、
施策を考案していく プロジェクトがはじまりました。

まず、全3回、ワークショップ形式で議論を深めていき、
最後は施策の実現までやり抜くお手伝いができればと思っています。

さっそく富山新聞北日本新聞にも取り上げていただきました。

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7月14日にワークショップの1回目が終わったばかりですが、
レポーターの松本くんが報告をつくってくれたので 取り急ぎこちらに掲載します。
松本君、1晩で仕上げてくれました。半端ないわ。。

 

(下記、松本くんのレポート) ------------------------------------------------

早稲田大学大学院創造理工学研究科経営システム工学専攻修士2年の松本です.


7月14日,富山県上市町にてエクスペリエンスデザインを用いたワークショップを行いました.テーマは「上市町を人が集まり続け,住み続ける町にする」こと.町役場の職員,民間企業の方,地元の大学生など30人の方々がワークに参加してくださいました.ワークショップは全3日程開催されますが,本日は初日の様子をご報告します.

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上市町役場企画課 課長代理 深川康志さん(左)と本ワークショップ企画の加形さん(右)


はじめに6人1チームのメンバー同士自己紹介したあとに,事前にお願いしておいたワークを共有しました.宿題は「上市町の良いところを3つ,もうちょっとだなと思うところを1つ考えてくる」というものでした.付箋に書いてきてもらい,壁にある模造紙に貼って内容を共有しました.
良いところでは「自然が多い」「水がおいしい」「景色がいい」「渋滞や待機児童など社会問題が少ない」などの意見があり,「もうちょっと」なところでは「本,CD屋がない」「ファミレスがない」「チェーン店がない」などが出ていました.こちらの事前ワークの内容は3日目で使います.

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自己紹介の様子


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事前ワーク共有の様子


続いて,ワークショップの企画をされた加形さんより,今回のワークショップに用いる「エクスペリエンスデザイン」の考え方を学びました.エクスペリエンスデザインとは,「お客さまの体験」を「設計」することであり,ターゲット(今回は移住・定住してくれそうな人)の気持ち・行動をステップに分け,それぞれどのような施策が行われ,どのような効果(もしくは問題)があるのか,1つずつ丁寧に検討しながら,ステップの連なりが一連の良い経験となるように改善を図っていく考え方のことです.ただ広告を出して「観光来てね!」だけで終わるのではなく,どうしたら実際に観光地まで来てくれるのか,満足してくれるのか,友だちに広めてくれるのか,リピートしてくれるのかなどを考えてストーリーを描いていくことです.
  今回はこの考え方を用いて,もっと多くの人に上市町に来てもらうための施策を考えていきます.しかし,多くの“人”と言ってもお父さん,独身の方,大学生など多種多様な方がおり,それぞれ行動する動機は異なります.そこで本ワークショップでは,チームA〜Eごとにターゲットを設定し,そのターゲットにしたがって行動ステップ(カスタマージャーニー)を考えていきます.各チームのターゲットは以下のようになっています.

 

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チームごとのターゲット


自己紹介が終わり,エクスペリエンスデザインの考え方も理解したところで,チームでのワークにとりかかりました.
【ワーク1】ターゲットのことを想像してみましょう!(10分程度)
チームごとに設定されたターゲットをより具体的に人物設定する「ペルソナ」の作成をしました.ペルソナでは,その人はどんなものが好きで,どういう趣味を持っているのかなど自分がなりきったつもりで想像して考えていきます.チームB「地元就活希望学校生」では,同じ班員の大学生に普段の生活を聞くなどしながら具体的な人物像を描いていました.また,「妻はデザイナー」「趣味はスポーツ観戦」など参加者みなターゲットになりきって考え,メンバーから「わかる!!」「あーいそう!」などとの声があがりながら共有していました.

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ターゲットを共有している様子

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チームで話し合ってイメージを膨らませている様子

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全員で各チームの内容を共有している様子


【ワーク2】カスタマージャーニーを作る(40分程度)
ターゲットが具体的になったところで,次にカスタマージャーニーを作りました.ターゲットが実際に上市町に移住してくるまでの行動ステップを考えていきます.そして各行動の時に感じる感情は何か,そこに課題はあるのかを深掘りしていきます.そうすることで,「このタイミングにこういう課題があるなら,こういうサービスプランの施策を打つことでターゲットに刺さるのではないか」という案が見えてきます.例えば,チームE「引越し後子育てファミリー」では,引っ越してから,ご近所さんへの挨拶はどんなお菓子を買ったら良いのだろうか,何軒まで挨拶するべきなのかという不安や疑問から周辺にどういうお店があるかわからないという困難があがり,それらに対してネットに情報がないなどの課題が表出してきました.そこで施策としてネットに引っ越し後のマニュアルを載せることやミシュランガイドのようなものを作成して周辺情報を提供したらどうだろうか,というアイデアが出てきていました.
  ディスカッションはメンバーが無意識に立ち上がって話してしまうほど盛り上がり,「子どもに友だちができるか」「寒いのかな」と言ったリアルな不安がバシバシ出てきていました.

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白熱する議論の様子

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付箋を何度も貼り直しながら行動ステップを作成している様子

今回のワークショップを通じて,参加者からは「漠然と『上市町に人を呼ぼう』と言っていたけど,こうやって考えてみると移住ってそう簡単ではないことがわかった」「ターゲットがぼんやりのままだと行動ステップが書けない.起業したいと言ってもどういう職なのかなどターゲット(移住する人)を具体的にすることが大切だと知った」「紙に付箋を貼ると何が問題なのか可視化できてよかった」などの声があがっていました. 次回2回目のワークショップへ向けて,各自設定したペルソナに近い人物を探し,実際にヒアリングをしてくること,そしてサービスプラン/施策を3〜5つ考えてくることが宿題となりました.

(松本感想)
僕は今回初めてワークショップの活動を見ました.参加する前は,日頃から議論していない社会人や大学生が集まってワークをして盛り上がるのかな,意見が出るのかなと心配していましたが,いざワークショップが始まってみるとそんな心配をしていたことが恥ずかしく思えるほど,アツい議論がかわされており,時間が足りない,ポストイットが足りない状態でした.
全員が真剣に自分の町のことを考えている姿はかっこよく,その姿を見ているだけでも「これだけアツいメンバーがいるなら町は元気なままでしょ!大丈夫だ!」と強く思えました.2回目,3回目のワークショップでさらに活発な議論が行われることを楽しみにしています.
最後に,僕は初めて上市町に行きました.細田守監督のアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』の舞台となった町と聞いていましたが,実際に行ってみると一番高い建物が6階建てということもあり,見晴らしが良く,きれいな景色はいつまでも見ていられました.町役場の方々も感じがよい方ばかりで懇親会も楽しかったです.絶対にプライベートで遊びに行こうと思いました.

 

課題の絞り込みを行った2日目のレポートはこちら↓です

takkaga.hatenablog.com

 

 

6月16日(木)横浜 プロボノについてお話しします。

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横浜で、地域や社会の課題解決を実践するイノベーター支援プログラムが

はじまるということで、

そのキックオフイベントでお話しさせていただくことになりました。

 

a-conの事例を交えて、プロボノの進め方やその意義について

お話しさせていただくと思います。

当日は、マザーハウス取締役副社長 山崎大祐さんと
ご一緒させていただけるみたいです。
最近出張で愛用しているバックパックがマザーハウス

shop.mother-house.jp

 

だからうれしいなあ。

こちらのプログラムを横浜市から受託しているのは
関内イノベーションイニシアティブ。
横浜にもプロボノの文化を根付かせたい、ということだそう。
今後a-conでもいろいろご一緒できればと思っています。
楽しみです。

日 時:6月16日(木)19:00~21:30
場 所:mass×mass関内フューチャーセンター

です。

 

massmass.jp

 

 

日本橋とやま館。なんか張り切っててすごいぞ。

6月4日に富山のアンテナショップが新規オープンしたとのことで

見物に行ってきました。

開店日、僕が行ったのは夕方で、そのときもだいぶんにぎわっていたのですが

朝は行列だったんですね!

 

www.asahi.com

 

 

富山県のアンテナショップは有楽町駅前の交通会館B1にあったのですが、

それに加えての新オープン。

お江戸の象徴、日本橋から徒歩5秒、日本橋三越の目の前にできてました。

年間の賃料は1億円近いとのこと。豪勢ですな。

 

 

外観。素敵です。

 

入ると、ゆったり目の売り場でオープン時は富山の手工芸品が

並んでいました。

入って左側のスペースは半個室になっていて、

「観光コンシェルジュ」のお姉さまが迎えてくれます。

富山のええところをなんでも教えてくれるそうです。

この日は開店日だったからか、3人も。

逆に緊張するわ笑

こちらのコンシェルジュの運営を受託している会社の社長さんは上市の出身らしい。

よし、今度会いにいこう。

 

少し奥に入ると、いろんな食べ物やらが並んでいる

いわゆる最近のおされなアンテナショップ。

これが入口入って「どーん」とあるとなんかいかにもですが、

富山館は入口をゆったり目にとってあるので高級感があっていいですね。

でました。飾りかまぼこ。めでたい。

 

「なんとなく体に良さそうな食べ物シリーズ」

これもおしゃれ。

 

以前JTBの方が「ここのはすごい!」と絶賛していたエッセンシャルオイルも置いていたので、この機会に購入しました。こういうの、いろんな地方に売ってますが、なんか混ぜ物っぽい香りのものも多いんですよね。たしかにこちらのオイルは、丁寧につくられた感じの品のいい香りがしました(ような気がします。よくわかりませんがなんとなく)

 

開店までは県が主導で進めたそうですが、

支配人の方とお話しした際も、今後さらに話題を提供していくために

ニュースを作り続けていきたいとのこと。

そのためには自治体横並びのウィンドウとかじゃだめだろねー、という

お話しもされてました。

 

僕がお世話になっている上市町からも、

いろいろと提案していけば東京のPR拠点として使わせてもらえそうですね。

このかっこええエントランスだと、食べ物並べるだけじゃだめなんだろうな。

東京と上市と、町の人と役場と、つながるいい機会ができそうなので

なんのためにやるのか考えながらなにか企画できるといいなあ、と思いました。

toyamakan.jp

 

DMO時代の観光マーケティング実践力強化講座

自治体の方等が数年間出向してリサーチ活動を行う

地域活性化センター」という組織があるんですね。
もう40年とか続いているとのことで、
もっと早く知っておけばあんな苦労こんな苦労せずに先に色々聞けたのに。

という地域活性化センターにお招きいただき、
来週の土日に集中セミナーをやらせていただけることになりました。
サミット帰りのおかけんくんと一緒です。
以前からJTBさんとやらせていただいていた「観光マーケティングスクール」は
観光に特化したものでしたが、
今回は普段別の業界向けにやっている「エクスペリエンス・デザイン」の手法を取り入れ、
観光、さらにその先の地域活性にどうつなげるか、ということで
全く新しい内容の研修をつくっています。
結構高いですががんばりますのでもしよろしければぜひお越しください。
結構埋まっている、とのことなのでもうあと1-2席なのかもしれません。

詳細なこちら