いったりきたり日記

最近移動も多く、ものわすれもひどいのであったこと感じたことを忘れないようになるべくまめに書きたいと思いますが、そううまくは続かないと思います。

都市空間政策概論第3(都市情報の分析I)


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都市空間政策概論第3(都市情報の分析I)

浅見泰司先生。超大御所、らしい。

今日は「データをどうやって入手するか」の回。
調査をどうやってやるか。
公的な情報に加えて、アンケート調査の方法など。
10月6日は分析の基礎、ということで基礎的な方法。
さらに次は政策の評価。

参考書。学部生向けの講義を起こしたもの。
http://amzn.to/2dgwQtK

数式は演繹も含めてちゃんと書いてあるので
学習に適しています。

●都市の状況について調べたい

既存のもの
・統計情報・・国勢調査、住宅・土地統計調査など
・地図情報・・地形図、施設配置図、土地利用図など
・書誌情報・・古文書、調査報告書など
・ウェブ・・簡易だが信頼性に注意が必要
・調査資料・・他人が行ったアンケート調査など

自分で調べる
・本当に自分が調べる・・アンケート、ヒアリング、観察調査など
・人に調べてもらう・・・調査代行業

・都市計画基礎調査
 結構使える!研究のために使うのは目的外使用なのでなかなか許可が出ないが、
 当学科は東京都と連携しているので許可が出る。指導教員に言ってね。

東京大学空間情報科学研究センター(CSIS
 当学科なら共同研究として申請して、様々なGISデータを取得できる

・面接調査 聞きやすい人に聴く、っていうのはだめだよ。

●調査票のデザインのために推奨する作業

 (かがた:いまさらだけど、改めて超大事だな!!)

・既存研究をレビューして、既知の事実(複数の研究で確認されている)
 未知のこと(調べても確認できない)
 事実かどうか疑わしいこと(研究によって結果が異なる)などを整理する。

・想定される因果関係のパス図を作成し、既知・未知・疑問のパスがどれかを
 整理する。
 *想定される因果関係を矢印と符合で表す。
 時に、複合効果もありえるので、それも描く。
 *パス図に表示するものはアンケート項目になりうるものだと
 使いやすい。

・どの部分を調査票で尋ねるかを決める。

・他の影響をコントロールする(影響を取り除く)ために、
 影響項目を固定するか、あるいはコントロールをするための
 情報を得るための質問を考える

・効果的な質問方法を考える

●問題構造の把握手法・・・KJ法

●サンプルの取得方法

・サンプリング大変です。。
・多段階抽出法(対象地区→対象など)
・層別抽出法 

●集計方法

・尺度の選択・・測定されたものに数値を割り当てること
 名義尺度、順序尺度、間隔尺度(差が意味。温度など)、比率尺度


ちなみに、、レポートの課題はこちら。なんのテーマでやろうかな。


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【10/4&17中間報告セミナー】行政でマーケティングは何ができるか?~最新の企画手法"体験鎖設計"で移住・定住を考える~

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東京でうろちょろしておりますと
「お前は石川でなにをやっているんだ?」
「あれ?福井に引っ越したんじゃなかったっけ?」
というご質問をよくいただきます今日この頃、
お話しさせていただく機会をいただきました。

違いますよ!富山です。上市町というところです。
北陸新幹線なら東京から2時間ちょっとでついちゃいます。
あと、富山に行きっぱなし、というわけではなく、
2週間に何日か+メールやテレビ電話での遠隔打ち合わせ、
というペースで活動しています。

4月からの派遣なのでそろそろ半年たちますが
その間、「なんかあったら何でも言ってくれよな!」と
おっしゃっていた石破大臣もお辞めになり、
派遣元の内閣府のご担当もすっかり変わってしまいましたが、
幸い、上市町のみなさまには
大変よくしていただき、楽しく活動しています。

電通の地域イノベーションセンターに協力してもらい、
電通グループ向けと社外向け、2つ日程をセットしましたので
ぜひお目にかかれれば幸いです。

 

●●行政でマーケティングは何ができるか?●●
~最新の企画手法"体験鎖設計"で移住・定住を考える~


都市から地方への移住・定住促進という、
人生を左右するテーマに対して、
電通のマーケターが何ができるか、
「日本版シティーマネジャー制度」とよばれる
内閣府から地方自治体への人材派遣で
富山県上市町に通った半年間の中間報告を行います。
「縦割りだよね」「なかなか部外者が入りにくい」と
思われがちな行政の組織に入って仕事をするポイントも含め、
今感じていることを共有できればと考えています。

 

●日時

【一般の方向け】
10月17日(月)19:00-20:30 @汐留電通本社会議室
(終了後簡単な懇親会あり)
18:50電通本社1Fロビーにご集合ください。
電通本社アクセス
http://www.dentsu.co.jp/vision/summary/tokyo/access02.html

電通グループの方向け】
10月4日(火)13:30-14:30 @電通汐留14階14I-2会議室

 

*2回のセミナーの内容はほぼ同内容です。

 

●内容
0.自己紹介/内閣府地方創生派遣制度とは
1."体験鎖設計(エクスペリエンスデザイン)"とは?
2.富山県上市町の課題
3.体験鎖設計の移住定住促進企画への応用事例
4.行政とマーケティング/民間、親和性と課題
5.質疑応答
6.行政と民間の連携方法についてのディスカッション(15分程度)

 

●スピーカー

加形拓也
富山県上市町参与(内閣府地方創生派遣・移住定住担当)
/電通 地域イノベーションセンター   チーフマーケティングプランナー
/電通デジタル エクスペリエンスマーケティング事業部   サービスデザイナー

 

●プロフィール
2003年電通入社。人事局を経てマーケティングセクションへ。
様々な分野の新商品開発、コミュニケーション戦略の策定に関わる。
現在、7月に設立された電通デジタルにて企業の新規事業開発、
マーケティングのデジタル革新のサポートを行っている。
地方創生関連の仕事としては、2011年以来、
JTB×電通地域観光イノベーションスクール」のディレクター/講師として
多くの地域の観光開発を行ってきた。2016年~富山県上市町参与。

 

●主催
電通地域イノベーションセンター

 

●お申込み
下記のURLよりお申込みください。
ご質問・ご連絡もこちらにお願いいたします。
https://goo.gl/forms/OxhCGJUFBzzWjp442

 

 

まち大講義メモ:都市の公共政策と法制度 第1回 都市計画の提案制度


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明石達生先生。
東京都市大学 都市生活学部教授。
都市工学科を1984年卒業。建設省に。
都市計画課が長かった。30年のうち8年くらい。
横浜市でも都市計画をやった。
私が書いた都市計画法も結構ある。
再開発についての法律も20代のころの作品。

まち大設立時の立ち上げをやった。
当時国家公務員だったので無給で兼務にさせられた笑

シラバスの内容。

現在日本における都市政策のポジションと
その実現手段となる法と行政制度について。

まち大の講義って大きく分けると2種類ある。
1つはいろんな先生のオムニバス形式。
もう1つは、それをやるとなにか1つの分野を習得できる、ということ。
今講義は後者です。

講義では表面的な知識じゃなくて、根源的な理屈を説明するよー。
研修所なら知識でよい。ここは大学院。

都市はどうしたらよくなるのか?
大きく3つ。

1、優れた計画とリーダーシップ。→今どきは小学生しかいない。

今は次の2つのどっちか。もしくは中間。

2.誰かがあらかじめ決めない。市場の選択の蓄積。
 行政は市場の失敗の除去に限定するべきもの

3.都市空間は公共空間。住民参加で行われる。

では、本日の主題。

・住民参加は巧妙に。でも、住民参加は古いよね。
 だって、あくまで発案は行政だから。

・むしろ、都市計画を開かれたものにする。
 「参加」ではなく、発議権を公式に開放するべき。

・都市計画のプロセスを社会的な調整と意思決定の場として
 昨日させることが専門家を生かす道。

例えば、裁判。法律の専門家が2手に分かれて争う手伝いをしている。
裁く人もいる。そんなイメージ。

そんな話を例示を交えながら今シリーズでやっていきます。

用途地域の役割。

・基盤施設のネットワーク、都市機能の配置と密度配分→機能的な都市活動

・相隣関係の観点。
 建築基準法は「となりに迷惑をかけない」ためのもの。

どの用途地域でも「住宅は建てられる」というのは日本が独特。

用途地域の規制の性格

・無補償で規制できる→最低限の基準だから
 *土地型によって「最低限」は異なる。土地柄は都市計画が定める

・逆にいうと、「まちをよくしよう」というポジティブな発想は
 含まれていない

●計画の段階構成

Plan for Vision 構想の計画。マスタープラン。 *非拘束的

Plan for Regulation 規制の計画。用途地域など。*受け身。規制力がある

Plan for Implementation 事業の計画。都市施設。市街地開発事業 *強制力ある。

●なぜスプロール現象、無秩序出店が起こるのか

・広域商圏の大型店は、ひとつの市が制限しても
 規制のない周辺市区町村に出店して、結果として規制をした
 自治体の商業機能が衰退してしまう。

・じゃあ、県でやればいいのでは?

・ドイツの「計画ないところに開発なし」って素敵ですよね。という
 話がある
 これは、計画さえあれば開発していいですよ、という発想。
 ちなみにこれは連邦法が担保。
 Bプランがつくられない限り開発が許可されない。
 ショッピングセンターは中心地区や特別地区以外では建築できない。

 自由にやっているところを規制する、というのは
 地域振興したい自治体レベルではなかなかできないから!

 英国でも基本は禁止で、都度解除する、という発想。

●英国と日本、どっちが分権的?

 英国は自主条例制定権もない。日本は可能。
 
 ただし、自治体の許可判断裁量の幅が極めて大きいのが英国。
 日本の場合は基本自由。なので開発を制限するためには
 自治体できめ細かく規制をかけるなど、相当の事前の努力が必要。

 →日本では自治体の主体性に委ねているので都市計画行政が機能しないのでは?

●どうして都市計画変更はうまくいかないのか。

 ・チェーンストアの社長。増改築の必要。
 ・市長と懇意なので用途地域の変更を頼む。
 →そこにいちいち対応していたらマスタープランの変更までしないと。。。
  それはおおごと。

 最大の問題は、行政のみが都市計画変更を発議しているからでは?

 →都市計画の法廷発議権の民間に開放(2002年法改正)

●メッセージ

 都市計画は Plan-"ning"です。
 人々の行動をまちをよりよく方向へと自発的に向かわせる仕組み
 (ゲームのルール)が重要なのではないか。
 利己的な行動をとろうとすると、まちが自動的によくなってしまう、的な。

●質疑

Q.地権者の3分の2の同意。公平性をどう担保するのか
A.いまいちこれだ!という解決策がないんだなああ。。
地元でまとまらないところはできない、
まとまらないところはできない、それでいい。という考え方。
うまくまとめられないところは衰退する、というのは必然。
これを救うとしたら国が関与し続けるしかない。

Q.判断基準は?
A.基準をつくりたくない。基準じゃない説明責任を果たせないかな、と考えている。

Q.欧米では都市計画プランナーの資格があるが、日本ではないですもんね。
 有識者はいるが自治体が任意で選んでいる。
A.アメリカもそのへんのど素人が判断してる。裁判の陪審員みたいな感じ。
 ただし、そのとりまきには専門家がいる。第3者機関的な。
 イギリスでは年間1-2万件くらい処理しているらしい。
 日本ではとてもその体制がない。
 
アメリカでは市は「人が住んでるよ。そろそろ市にしてください」ということで
市になる。日本みたいに地図を区切っていくやりかたとは全然違うのよ。

 

まち大講義メモ:都市空間のマネジメント-合併自治体の公共施設の統廃合・再編のための施設別方針の提示と住民理解に関する研究


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*スライド:伊賀市の住民サービス機能再編成の例

 

講義の参考

瀬田史彦・吉村輝彦・岡井由佳(2016)「合併自治体の公共施設の統廃合・
再編のための施設別方針の提示と住民理解に関する研究(概要)
(都市再生研究助成事業(平成26・27年度助成分)最終報告)
『Urban Study』Vol.62(2016/06)
http://www.minto.or.jp/print/urbanstudy/pdf/u62_02.pdf

 

まち大講義メモ:都市空間のマネジメント-合併自治体の公共施設の統廃合・再編のための施設別方針の提示と住民理解に関する研究

瀬田史彦先生。

ミント機構が発行する"Urban Study"に出したものを
ご紹介します。それくらいがちょうどいいかなあ、と思いますので。

図書館とか市民ホールとか
公共施設を減らすのはなかなか大変。
以外と減ってない。
道路、トンネル、鉄橋なども減らしていかなくてはならないが
こういったほんとに基本的なインフラというのは
減らすことができない。
減らさなくてはならないが計画上「減らす」といっている
行政はほとんどない。
総務省から各自治体に、将来的に公共施設を
どうマネジメント(減らす)するのか計画をつくれ、という
号令がかかっている。

人口が2割減るなら公共施設の2割減だ、という目標設定は
各自治体でやっている。
ただし、個別の施設のことになったとたんに「それより職員の
給与を減らすのが先だ!」みたいな議論になってしまう。大変。

対象自治体、伊賀市
大阪と名古屋の間の地方都市。通勤している人も多少いる。
工場立地が多いので財政的にはわりと大丈夫。
ただし、人口減少の懸念はもちろんある。

実際に伊賀市にいってみると廃校になった小学校では
おじいさんたちがグラウンドゴルフ
旧市役所の支所は物置状態。
文化ホールは立派なものがたくさんありすぎる。

公共施設白書(現状と課題のみえる化)

公共施設最適化方針(課題解決の方針)

★公共施設最適化計画(課題解決の具体案。各論。大変。)

人口が減る分だけ床面積を減らそう。

(かがた:なんで他の自治体とか人口の現象に応じて削減目標を決めるの?
 町のくらしのあるべき姿を描くのが先で、他の自治体の事例はあくまで
 1つの参考にする、ということではないの?
 サービスを落とさなくてはならない、という説得はいつだれがやるの?)

ちなみに公共施設の再編では神奈川県の秦野市が有名。
秦野市の志村さんという有名人をよんでアドバイスもいただいた。

もちろん住民説明会もやる。
ただ、パンドラの箱をあけるのが怖いなあ、と思ったが、
日本福祉大学の吉村さんなんかは狭くなってもいいから
魅力的な活動ができる、とかいろいろ参加させるべきだ、という
ことだった。

(かがた:住民説明会はどのように声をかけてどのような出席率なのか。
 なにをもってオーソライズされたといえるのか)

伊賀市は住民自治協議会、という組織が存在して結構有名。
市で住民自治のアイデアコンテストもやっている。

ちなみに、今は無作為抽出の市民参加をやっている自治体も多い。
謝金も出す。逆に公募はしない。

やってみると結構前向きな意見が多かった。
むしろ民間の方からは「なぜもっとはやくやれなかった」との声もあった。
一方、なかなか難しいは災害時の避難場所をどうするか、ということ。
中心に固めるには限界がある。
また交通の問題もある。

(かがた:栄村では集会所は建設から維持管理まで集落ごとに
 自分たちでやるのがあたりまえだった。そういう発想はなかったのかな)

まち大講義メモ:都市空間のマネジメント論(1)登壇講師のご紹介

都市空間のマネジメント論。

瀬田史彦先生。

東京大学大学院 工学系研究科都市工学専攻 准教授。

これはまち大が設立されて以来ずっと続いている。
ただ、最近「都市は計画できないのでは?」という
論もできている。
かつては機能していた全国総合開発計画も効力を失っていった。
名前も国土形成計画に変わった。

そんな中での「プランニング」とはなにか。
あるべき姿をがっちりつくる、というようか
ステークホルダーと話し、つくっていく。
これを「マネジメント」という風に呼ぶ人が
だんだん増えている。


いまのいいかたが大げさだったかもしれないが、
シラバスをみると
人口減少時代における都市空間のマネジメントのありかたに
焦点をあてる、とある。

ここに登壇する人のかなりの部分は空間にこだわりがある人が多い。
地理的になにをどこに配置するか、とか。
逆にいうと、単なる経営のマネジメント、つまり中心市街地の
施設の経営、というよりも
それより1つ先にいくと中心に市街地がどうあると
うまくいくか、郊外との関係をどう考えるのか、ということ。
来週いらっしゃる西郷真理子さんなんかは
実務家の代表的な例。

(かがた:えっ、でもモノを空間に配置するだけでいいの?
 人口減少時代なのに。。。マネジメントというのであれば
 経営資源をどう確保するか考えるのが先なんじゃないの?)

ただつくればいいというわけではない。人は増えないのだから。

今回の講義は全部で8名の先生にご登壇いただく。
今日いらっしゃる予定の遠藤さんはURの実務家
「身の丈再開発」というキーワード。
以前であれば規制いっぱいにフロアをつくるのが一番いいと思われていた。
今は埋まらない。
そんなに大きなものを建てるより5階立てるより3階にして
その分しっかりマネジメントしよう、という考え方。

西郷真理子さん。都市プランナー。
有名なのは高松市丸亀町商店街
所有と利用の分離。利用については集約して
きちんと商業集積しよう、という考えかた。
全国のモデルになっている。ただし、高松市のように
やれている例はない。

3回目。平先生。聖学院大学
もともとは民間シンクタンクの研究員だった。
まちづくりのプロフェッショナル。
10年以上前からの研究テーマが人口減少時代のまちづくり。
夕張にも足を運ばれている。アメリカの研究も多い。
アメリカは人口減少はしていないが、都市間競争が激しい。
例えばデトロイト
ランドバンクの研究や旧東ドイツの研究も。

4人目。慶応の小林先生。元環境省事務次官
事務次官だったときにまち大の学生だった。
小林先生もこちらで水俣をテーマに博士論文を書かれていた。

次は野口先生。日本政策投資銀行の方。
まちづくり、特にファイナンスからみたまちづくりに造詣が深い。
民間を活用するときにファイナンスの手法を使って
(単なる指定管理じゃないよ)
運営費用をうまくねん出して公共施設を運営する。
PPPというのは概念はわかるけれども、実際にどうやるのか
かみくだいて教えてくださるはず。

さらに、大野先生。
環境政策のプロフェッショナル。東京都から自然エネルギー財団へ。
ちなみに東京大学は東京都で一番CO2を排出している団体らしい。。
大規模事業者への排出量割り当てなどを行ったのは東京都が最初。

あともう1人。さかもと先生。
川西市。都市計画を勉強している人なら絶対しているまち。
昔なら不可能だと思われていた宅地開発使用要項を実現。
人里離れたところに家ができても行政がインフラをつくらなくては
ならない中、規制をかけた。
現在は川西市を離れ、大阪の郊外の過疎化課題に対して
どうするかを考えている。
瀬田先生が大阪大にいたときの社会人学生。

最後は瀬田先生。ほんとは最後の予定が
今日ここに立つことになった。
私は広域視点が専門だが、現場で起こっていることは
ミクロなことが多い。
現場がわからないとだめなので1都市や1地区でなにが起こっているのか
自治体としての対策の研究を行ってきた。
各自治体が同じことをやって共倒れになっても仕方ない。
そこで広域でどう役割分担をするか、という考え方。

成績評価ですが、出席プラス期末のレポート1回で評価。

ということでいきなり1回目が飛んじゃったわけですが、、、
こまったなー。


講義します。


ミント機構が発行する"Urban Study"に出したものを
ご紹介します。それくらいがちょうどいいかなあ、と思いますので。

まち大講義メモ:都市地域計画論1 都市計画制度の形成過程


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*スライドは19世紀グラスゴーの狭小住宅。

 

記念すべき?第1回目の講義は大方潤一郎先生。

1954年川崎市に生まれ(ただし出生地は母の実家のある会津若松市)、
東京都大田区で育つ。東京大学都市工学科の学部・大学院(博士課程)を卒業後、
同 助手、横浜国大助手・講師・助教授(工学部建築学科)を経て
1996年・東京大学都市工学科助教授、99年から同教授。
とのこと。
大御所、ということですよね。
2013年4月から高齢社会総合研究機構・機構長を兼務。
昨年までこちらのコース長だったとのこと。

優しそうなおじさまやなあ。
みんな忙しいなか来てるから、サンドイッチくらいだったら
食べながら聴いてもらってもいいよ、とのこと。
社会人バンザイ。

ご専門はど真ん中の都市計画。
都市計画で都知事

今週は、日本以外の各国での都市計画という概念が
どのように形成されたか、ということ。
来週は日本。
その次の週からは、じゃあ、具体的な中身がどうあるべきか、
というお話しになるとのこと。

じゃあ、本題。

イギリスなんかじゃ
都市計画は都市のことだけじゃなくて、
都市と農村を一体に扱うのが主流。
日本の場合は都市と農村まだまだばらばらにやっているよね。

19世紀から全地球上の都市化の進展。
都市と農村の区別のあいまい化。

人類が生存する空間=Habitatを統合的に管理する必要が
生じてきた。
つまり、
Spatial Planning/Territorial Planning/Raum Ordnung

一方で日本は都市は国交省が都市計画をやり、
農村は農水省がやる、という縦割りな状況になっている。

じゃあ、実際に都市計画はどうなっているのか。
自然発生的に集落ができ、整理するために
有力者が街区割りなどをする、みたいにして
都市計画がはじまる。

本来ならば都市計画の基本は「町割り」。
日本の場合はあぜ道沿いになんとなくできている場合が多い。
町割りの意識はうすい。

ここまでが都市計画の発生だが、
19世紀になると、鉄道、下水、港などネットワークの
インフラをどうするか、という要素も入ってくる。

町並みは大火によって進化してのきた。
例えば17世紀のロンドン大火。
この後延焼を防ぐために瓦マストになったりした。

日本でも大火がたびたびあったが、
瓦の導入がうまくいかなかったりした。

アメリカは自由の国なので、かなりおそくまで
町並みの規制は入らなかった。

19世紀のヨーロッパでは衛生的な町をつくるための
都市計画も進んだ。
工場地域の限定など、
相隣関係の調整、土地の用途規制も行われるようになった。

20世紀になってくると、ネガティブなことが起こらないように、
というだけの視点ではなく、魅力ある街並みの創出なども
意識されるようになった。

都市計画の型は大きく3つ!
ドイツ型、イギリス型、そして一般型。
(いっぱんがた??えっ?)

1つ1つ紹介するよー。

1つ目。
ドイツ型。

例えば1200年くらいのアムステルダム
芯のような場所ができる。
だんだん外に拡がる。建物の耐用年数も長いので
そうそうに再開発したりしない。

(中略)

バウってのはドイツ語で建築、ってことですよー。
建築線(道路線)計画に沿って町をつくっていく。
この外には建物をつくっちゃいけないよー、ということ。
*ドイツではこのB-Plan(ベープラン)が今でも続いている。

都市計画におけるナポレオン。
ナポレオンの征服地では、土地が自治体所有から
市民所有になった。
また、農村では農地解放が行われた。
農民に耕している土地が渡された。細分化された絶対的土地所有にうつった。
そうなると、旧来のドイツ型の都市計画は難しくなる。
じゃあ、どうするか。
そこを近代的に法整備していったのが近代のドイツの都市計画。
B―Plan制度の近代的再編。

もう1つの都市計画の課題。
19世紀の伝染病の流行。当時はどうして感染するのかもわかっていなかった。
空気の流れが悪いところで感染する、と言われていた。
切り札は下水だと考えられていた。

屋根裏に住んでいる貧乏人は、
毎朝、糞尿のツボの中身を外に投げ捨てるのが習慣だったそうです。
ちなみに、マナーとされていた合言葉は、
「今日は雨が降りそうだなー」だったとのこと。

これに対して都市計画としては幹線道路の整備で対応した。
幹線道路に下水道を通した。
自治体の権限を強めて、「計画なきところに開発なし」の原則確立。
最低限の基盤形成(道路など)は開発者負担。地主や居住者の負担。
強制収容権も。

日本でも4メートル道路などは開発者負担は常識。
当時のドイツではよりレベルが高い。13メートル道路まで。
2車線道路。

ただ、だんだん都市が大きくなるに連れて
城壁を超えて農地にまで都市が拡大。リボン状の農地を整理するために
任意組合方式によって整備するようになった。

ただ、都市が郊外に拡がっても、建築は密集型のもので変わらなかった。
本当は密集していないので他のやりかたもあるはずだが、
不公平になってしまうので。

ケルンの都市計画家スチューベンの取り組み。
大きな敷地に緑と一戸建て、みたいなことができないか。
私法的契約による「建築協定」を行った。
まだゾーニングまではいかない。
この仕組みを思い切って全面的に導入したのが1891年のフランクフルト。
4種類のゾーニングを行った。

実際のゾーニング実務は日本でいうとUR的な事業者が行っている。

現在でもB-Planができているのはドイツ国土の2割くらい。

(休憩)

では、次はイギリス型です。
世界で一番早く産業革命が起こった国。
なにもないところに炭坑ができて、そこで町ができたりした。
これがIndustrial City。
中世的な広場や教会やなどがありきではなくて
ごちゃごちゃっとしたところから始まる。
その後、面白くは機能的(衛生的)な街ができてきて、
その後、緑を交えてうるおいのある街もつくられる。
こういった三段階。

イギリスの中世もみてみます。
18-19世紀=エンクロージャー(囲い込み)運動。
土地の集約化。農業事業者への貸付。法人型の集団農業。
毛織物産業などの発展。農民の数の激減。都市での労働者へ。
つまりイギリスでは大土地所有制を背景。
民間団地開発を行いやすかった。
90年くらいの定期借地権で20年くらいで回収する
安普請の団地をつくった。
ドイツのように町割りの困難はなかった。
ただし、工業化による都市問題が起こった。
Back to Back型の2フロア狭小住宅。

例えばグラスゴー
1つのベッドに5人寝る。
父親は外で飲む。子供は不良に。近親相姦も。
改善が必要。
1つ目。壊す(スラムクリアランス)
2つ目。行政がつくる。
3つ目。民間がつくるのに規制を入れる。

最終的には20世紀初頭。
ハリンゲイのような衛生的な画一的な住宅街。

ただ、つまらないよね。。
ということで、ハワードのGarden City構想。
郊外で職住近接の緑に囲まれた街をつくる。

イギリスはちょっと変わったことをやりたいときには
国会でその地域限定の特別法をつくって通しちゃう。
例えば、ハムステッド開発特別法。
囲み型でトンネルがあるような街ができた。

1947年には開発権を国有化した。
ぜんぶを暫定許可制にした、ともいえる。

Development Planも決して詳細なものではない。
ただ、戦後のイギリスの都市開発というのは
団地開発などなど部分的な都市計画にすぎなかったので
それでもオッケイだった。
ちゃんとした開発は公共が行う。

ただ、それがなかなか大変。
国が都市計画をやる、ということだったので
各自治体の計画を最後は国がやる。
住民は異議申し立てができる。その処理が膨大。

その後、、
1968年都市計画法
国から地方への権限移譲。
ただし、地方自治体でCounty Districtのレイヤーを分けてしまったので
機動的な都市計画作成が困難になった。

サッチャー政権の下でレイヤーを統合し、
すべえDistrict(市町村)でやることに。
広域調整は市町村の協議会によるものになった。

ちなみにフランスなんかは基礎自治体がコミューンといって
3000人と小さいが先決権を持っている。
広域調整をどうするか、というのが問題になっている。

さて、このあとはアメリカの話をするけど、今日は時間切れ。

大学院がはじまりました。

大学院の入学式がありました。
東大の9月入学の人全員対象、ということで
「社会人の人は別に来ても来なくてもいいよ」
というゆるやかなお誘いだったのですが、
まあ、せっかくなので休みをとって、
生後3週間の長男も連れていっちゃいました。

 

学部生のときの入学式は、、、どこでやったのかすら
忘れてしまった。でも入学者数がケタ違いに多いから
安田講堂じゃなかったはず。
もしかして安田講堂はじめてかも。。

 

9月入学の入学式は留学生も多いので
オール英語なんですね。びっくり。


専攻なんですが、
工学系研究科都市工学専攻都市持続再生学
というところでこれだけみるとなにがなんだか、
ということなのですが、
まちづくり全般に関するコースで、
都市工学とか建築とか都市基盤とかそのへんの
分野を横断的に勉強する、ということみたいです。

こんなカリキュラム↓
http://www.due.t.u-tokyo.ac.jp/mps/curriculum.html#01

これからほぼ毎日18:30~21:30まで
週6で大学院、ということで
どうなることか、ほんとに学位がとれるのか、
かなりどきどきしていますが、
面白そうなので
なんとかやりきりたいなあ、と。

僕の周りの社会人の人も、
MBA以外の大学院に興味を示している
人が多いので、どんな講義が行われるのかも
なるべくレポートしたいです。

大学院なので知識を仕込むのももちろんですが、
研究は、今富山県でも取り組んでいる
移住・定住について、移住動機の形成要因や
移住成功の定義づくり、
移住先のコミュニティのあるべき姿などについて調査研究を
したいと思っています。
まだ具体的な研究方針をつくるのはこれからですが、
共同で調査してくれる機関や企業も探すことになると思います。
ぜひお声がけ&ご紹介いただければありがたいです。